最近はインターネットに接続するのにダイアルアップルータを介するのが一般的になっています。 パピーの原作者バリー氏によって書かれた文書はその記述がかなり古くなっています。 その点を補うためにこの文書は日本語版のために書かれました。
LANのコネクタは凸の字形をしていて8ピンです。 電話やモデムへの接続も形は似ていますが、幅が狭く、6ピンです(うち2ピンにしか金属の接点が入ってないものも多い)。もし幅の狭い6ピンのほうで直接ダイアルアップするなら Internet access by modem (英文)をお読みください。 幅広の8ピンのLANケーブルでインターネットやLANに接続するなら、ここに書かれているものがたいてい当てはまります。
無線による接続も多いでしょう。この場合の設定も途中までLAN接続と同じです。 無線LAN接続に固有のことも、この文書の後半で扱います。
ルーター(LANケーブルの向こう側)あるいは無線ステーション(アクセスポイント)はインターネットにすでに何らかの方法で接続されているものとし、その方法についてはこの文書では扱いません。
パピーが最初に起動したとき、LANケーブルが接続されているとDHCPサーバーを探し、うまくいけば自動的にLAN接続されるので、何も設定する必要はありません。 それがうまくいかないときや 無線LANについては、以下のLAN接続ツールを使っての設定が必要となります。
LAN接続ツールを使っての設定を保存しておけば、次回の起動時にはそれが使われて自動接続されるはず。
接続されない理由が、起動時にLANケーブルが外れていたなどの明きらかな理由があれば、ケーブルを確認してから、まずは一度デスクトップの「接続」アイコンを右クリックし、「インターネットに接続」を試してください。
デスクトップ上の「接続(connect)」アイコンを1クリックしてください。 あるいは スタートメニュー>セットアップ>インターネット接続ウィザード でウィザードが起動します。
現れたウィンドウのいちばん上「現在の設定/状況」のところに「存在するネットワークインターフェース: eth0」とあれば有線LANが使えます。 「wlan0」があれば無線LANが使えます。お使いのハードウェアによっては、「ra0」など別の名前になっているかもしれません。
これらが現れない場合、ハードウェアに問題があるか、そのハードウェアに適したモジュールがパピーに組み込まれていない場合で、ちょっとやっかいなことになります。 これを解決する方法についてはこの文書では取り上げません。 モデムのインターフェースはここでは必要ありません。
有線/無線いずれの場合も、その次の欄「接続」のところのたぶん2番目、「ネットワークまたは無線LANでインターネット」のボタンを押してください。
ただし有線の場合、4番目あたりのPPPOEを使うこともあるでしょう。
ネットワークウィザードで「ネットワークまたは無線LANでインターネット」のボタンを押すと、新しいウィンドウが開きます。
最近のパピーでは、ここで複数のLAN接続ツールが選べるようになっています。
これらのツールは、有線あるいは無線のLAN接続を簡単に行うという同じ目的のために作られたものです。 開発時期は一番上のSNSがもっとも新しく、一番下のネットワークウィザードがもっとも古いものです。 新しいものが良いかというと、使い方やハードウェアによっては必ずしもそうではないところが、これら3つのツールが残っている理由となっています。
SNSはDHCPでIPアドレスなどが自動設定できる環境をのみ対象としています。たいていの場合はそれでOKでしょう。 Fresbeeは当初ネット・ブックのために開発されました。モバイル環境で無線LANを利用するさいに使い易いと評判です。 ネットワークウィザードは多機能であることもあって操作が複雑かもしれません。その代わり古いだけあって情報もたくさんあります。
以下の説明はネットワークウィザードだけについてのものになっています。 ネットワークウィザードのヘルプも併せてお読みください。
ネットワークウィザードで「ネットワークまたは無線LANでインターネット」のボタンを押すと、新しいウィンドウが開きます。
「eth0」が表示されているはずなので、「eth0」ボタンを押します。
また新しいウィンドウが開きます。
ケーブルは接続されていますか?
まずは「自動DHCP」を試してください。
やや時間があって、うまくいけば「eth0 ネットワークの設定に成功!」のメッセージが出てきます。
「YES」で設定を保存しておきましょう。
もとの画面に戻るので、「完了」を押して終了させてください。
パピーを終了するときに個人保存ファイルを作成しておけば、次回起動時にこの設定で自動的にインターネットへの接続が行なわれます。
固定IPを使うケースは少ないと思いますが、必要な場合、ネットワーク管理者がおれば尋ねるか、そのネットワークまたは機器の説明書があれば、それを調べてください。
有線LANケーブルを使うもうひとつのケースは、PPPoEによる場合です。 ダイアルアップルーターなどを使わずに、パピーが直接モデムを介してプロバイダに対してユーザーIDやパスワードを送って認証を求めます。
この場合は RoaringPenguin - PPPoE を使います。手元にユーザIDとパスワード、(たいていプロバイダとの契約書に書かれているもの)を用意します。 ネットワークウィザードの最初の画面で4番目あたりの「 RoaringPenguin - PPPOE...」を押してください。 そのあと「初期構成:設定」を押すと端末が開くので、順次問いに答えながら進めてください。
(有線)LANケーブルによる接続については、これで終わりです。
無線LANでは暗号化なしの場合もありますが、ふつう暗号化されています。 パピーが対応する暗号化方式は WEP, WPA(TKIP/AES), WPA2(AES) の3つです。 ただしハードウェアあるいはモジュールによって、そのすべてが使えるとは限りません。 WPAが使えるモジュールが登録されていて、パピーが知らないモジュールだと 「WPAをサポートしていいません」 と文句を言います。たいてい「リストに追加」で登録しておいて大丈夫でしょう。 無線ステーション(アクセスポイント)の設定がどの暗号化方式を使っているか確認します。 無線ステーションの(1)SSIDと(2)暗号化方式、(3)暗号化キー、この3つが設定のために必要です。メモしておきましょう。
ネットワークウィザードを起動したとき、「wlan0」があれば、たぶんそんなに難しくありません。 モジュールによっては ra0など、 wlan0以外の名前になっているかもしれません。 「wlan0」が現れないようなら、必要なモジュールをどこかから探してくるなど、やっかいな作業になります。この文書では扱いません。 パピーリナックス日本語フォーラムなどにも情報があるでしょう。
ネットワークウィザードで「ネットワークまたは無線LANでインターネット」のボタンを押すと、新しいウィンドウが開きます。
「wlan0」が表示されていれば、「wlan0」ボタンを押します。
また新しいウィンドウが開きます。ここで「ワイヤレス」ボタンを押すとまた新しいウィンドウが開きます。
まずネットワークをスキャンします。右上の大きな「スキャン」ボタンを押します。スキャンが終わると見つかった無線ステーション(アクセスポイント)がリストアップされます。 そのSSIDを見て自分のものを選びます。 現れなかった場合は、もういちど、あるいは何度かスキャンしてみます。
次にプロファイルを作成します。 暗号化方式を選びます。暗号化なしの「公開」以外のWEP, WPA(TKIP/AES), WPA2 いずれかのボタンを押すと暗号化キーを入力する欄が現れます。
「このプロファイルを使う」ボタンを押します。
スキャンが始まり、うまくいけばもとの画面に戻り、そのいちばん上に次のように表示されます。
wlan0接続のレポート: パピーは生きているネットワークをみつけられました IPアドレスの取得に進むことができます。
「自動DHCP」を押してください。 やや時間があって、うまくいけば「wlan0 ネットワークの設定に成功!」のメッセージが出てきます。 「YES」で設定を保存しておきましょう。 もとの画面に戻るので、「完了」を押して終了させてください。
パピーを終了するときに個人保存ファイルを作成しておけば、次回起動時にこの設定で自動的にインターネットへの接続が行なわれます。 しかし、無線LANの場合、誤って別のアクセスポイントに接続することがあるようです。
このようなとき、デスクトップ上の「接続(connect)」アイコンをマウスの右ボタンでクリックし、出てきたメニューから「ネットワークから切断」を選び、その後ふたたび右クリックして「ネットワークへ接続」で再接続してみてください。
自動DHCPで取得したIPアドレスはウィザードの wlan0インターフェースのところで 「固定IP」ボタンを押すと確認できます。IPアドレスを確認したら、必ず「キャンセル」ボタンでウィンドウを終了させてください。
以上、文責:シノバー 2009年9月初出/2009年11月/2013年12月加筆